2024年度 CDPウォーター×環境省Water Projectセミナー
環境省、CDP共催で「CDPウォーター×環境省Water Projectセミナー」をハイブリッド開催し、会場:約93名、オンライン:約1,079名(計:約1,172名)の参加がありました。TNFDなどグローバルの枠組みに基づく水関連情報開示のベストプラクティスや、ウォーターポジティブに向けた実践としてネイチャーSBTsの活用について、国、企業、自治体など様々な立場の登壇者から話題提供いただき、議論しました。
セミナーでは、冒頭に東京大学総長特別参与・教授の沖様より、水利用が及ぼす影響評価について、水は時間と空間によって希少性が異なることを捉えた上で、様々な水リスクの評価手法を例に挙げながら、地域の実情や目的に応じて影響評価をすることの論点についてご講演をいただきました。
パネルディスカッションでは、「水関連情報開示のベストプラクティスとは」をテーマに、開示の目的はビジネスモデルや中長期的な企業価値の変化のアクションにつなげることであることを踏まえた上で、①水リスク評価の課題と評価事例、②リスク評価からアクションへ、③アクションにつなげるデータの重要性について各登壇者より事例紹介いただき、水リスク評価と行動変容に向けて着実に取り組むことで、企業や地域の価値向上を目指すことについて議論を行いました。
セミナー後半には、特別企画として「ウォーターポジティブに向けた実践:ネイチャーSBTsの活用」をテーマに、熊本地域の地下水管理を事例に、サントリーホールディングス株式会社から、企業活動にとっての水資源の重要性、ネイチャーSBTsパイロットにおいて、国内の最優先拠点を熊本工場として目標設定を実施した経緯やその活動について、公益財団法人くまもと地下水財団からは、熊本地域の地下水保全に向けて、行政の活動だけでなく、民間企業の地域への自発的・積極的な貢献が非常に重要であることについてご発表をいただきました。
最後は、CDP CEO Sherry Maderaより、情報開示はアクションを起こすことを目的としている点と、日本のリーダーシップはTNFDにも及んでおり、日本がウォーターポジティブの分野においてリーダー的存在であること、アースポジティブな未来に向けた水分野の重要性に言及しセミナーを終了しました。
開催結果は、環境省ウォータープロジェクトHPに掲載しています。 環境省ウォータープロジェクトHP
日 時:令和7年2月17日(月)
共 催:環境省、一般社団法人CDP Worldwide-Japan
SBTs for Natureに関して過去に行った日本語でのウェビナー・資料に関しては以下をご確認ください。
基礎編:
自然分野の情報開示と目標設定ウェビナー(一般公開:2024年7月19日) 概要
応用編:
ネイチャーSBTs目標設定ウェビナー(一般公開:2024年12月6日) 概要